カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

第160回 中津川林道

投稿日:2011年11月30日

2010年 林道日本一周 関東・東北編

三国峠を越えて信濃の国へ下る

 秩父盆地の中心、秩父に到着すると秩父神社へ。
 秩父神社といえば関東でも最古の歴史を持つ神社のひとつだが、なんといっても12月3日の「秩父夜祭」が有名だ。吹きすさぶ寒風をついて、絢爛豪華な山車が市内を巡る。この夜ばかりは秩父の町中が煮えたぎるかのような賑わいだ。
「秋蚕(あきご)しもうて麦まき終えて 秩父夜祭 待つばかり」
「秩父音頭」の一節ではないが、秩父の人たちがどれだけ「秩父夜祭」を心待ちにしていることか…。
 秩父は昔からの絹織物の産地。絹で栄え、その強大な経済力があったからこそ、「秩父夜祭」のような華やかな祭りをおこなうことができた。だが…、その秩父の絹も今ではすっかり衰退してしまった。秩父神社を参拝しながら、時代の流れの悲しみのようなものを感じるのだった。
 秩父からは国道140号で奥秩父へ。
 ビッグボーイを走らせながら秩父盆地の山里の風景を眺める。
 荒川に沿って走り、秩父鉄道の終点、三峰口駅前でビッグボーイを停める。カンコーヒーを飲んで小休止。ここを過ぎると荒川の谷間に入っていく。
 奥秩父の中心、大滝に到着すると、道の駅「大滝温泉」の「遊湯館」(入浴料600円)の檜風呂と岩風呂に入り、湯上りに「カレーライス」(600円)を食べた。
 大滝からは滝沢ダムの脇を通り、国道140号と分れ、県道210号に入っていく。
 紅葉の名所「中津峡」を通り、中津川林道へ。中津川の集落を過ぎると中津川林道のダートに突入。中津川の渓谷沿いの道を行く。路面はよく整備されているので走りやすい。
 中津川最上流の流れと分れ、埼玉・長野県境の三国峠に向かって登っていく。路面は若干、荒れているが、ビッグボーイでも十分に走れる程度。やがて標高1754メートルの三国峠に到着。幾重にもなって連なる関東の山並みを一望。はるか遠くには秩父のシンボル、武甲山がちょこんと見える。
 三国峠はすぐ北の三国山(1818m)にちなんだ峠名。三国山は武蔵・上野・信濃3国の国境の山だが、三国峠は武蔵・信濃の2国の国境の峠。日本各地に三国山とセットになった三国峠があるが、どこも同じ関係で、三国山は3国の境だが、三国峠は2国の境。三国峠は正確にいうとどこも両国峠なのだ。
 中津川林道のダートは三国峠までで、ダート距離は17・0キロ。
 切通しになった三国峠を越えて長野県に入り、舗装林道で千曲川源流の梓山に下っていった。

より大きな地図で 林道日本一周関東東北編 を表示
今回のエリア:昭文社ツーリングマップル関東甲信越 47→46

秩父→大滝→中津川→梓山

秩父に到着すると秩父神社に参拝
秩父神社の本殿


荒川の流れに沿って奥秩父へ
秩父鉄道の終点、三峰口駅


道の駅「大滝温泉」の「遊湯館」
「遊湯館」の岩風呂


湯上がりの「カレーライス」
国道140号のループ橋と滝沢ダム


中津川林道のダートに突入!
中津川の渓谷沿いを行く


三国峠に到達!
三国峠の切通し


Comments

Comments are closed.

  • 新刊紹介

    子どもの心を育む教師と親のため雑誌「児童心理」増刊号に「我が人生最大の危機を救ってくれた母親」と題して賀曽利隆が執筆しています。
    児童心理
    2017年8月号臨時増刊

    第4部
    わが思い出の中の父親・母親

  • ツーリングマップル

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」

    北海道東北関東 甲信越

    中部 北陸関西

    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • 最近の投稿

  • 新刊紹介(賀曽利隆連載中)


    風まかせ No.63
    7月6日発売

    連載

    「焚火日和」


    アンダー400 No.64
    6月6日発売

    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    御殿場編

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税