カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

第96回 道前田山林道

投稿日:2011年4月19日

2010年 林道日本一周・東日本編

ロングダートが目白押し、秋田から岩手へと入る

 花輪盆地の中心、花輪から国道282号を戻り、国道沿いの五の宮温泉「五の宮の湯」(入浴料500円)に入る。ここは宿泊も可。東北道の鹿角八幡平ICのすぐ近くなので泊まったこともあるが、宿泊したことのある温泉というのはなつかしさを感じるものだ。五の宮温泉から湯瀬温泉を通り、県境を越えて秋田県から岩手県に入る。
 5キロほど走った田山で国道を左折。JR花輪線の踏切を渡り、ロングダートの道前田山林道を目指す。
 1キロほどで二又の分岐に出るが、そこは左へ(右の道を行くと大沢林道に入り、そのままトチノキ沢林道に入り、14・8キロのダートを走り切ると道前田山林道に合流する)。
 国道から6・3キロ地点でダートに突入。根石ダムのダム湖のわきを通っていく。最初のうちはよく整備されたダートで道幅も広い。根石川に沿ってスズキDR-Z400Sを走らせていくと狭路のダートに変っていく。
 岩手・青森県境の峠に向かっていくとトチノキ沢林道との分岐を過ぎ、つづいて芦名沢林道との分岐を過ぎる。この芦名沢林道もロングダートでダート13・0キロ。峠を越えて県道181号に出られる。
 2本の林道との分岐点を過ぎ、さらに登っていくと岩手・青森県境の中央分水嶺の峠に到達。根石ダムから8・5キロの地点だ。名無しの峠を越えて青森県に入り、花木ダムへと下っていく。花木ダムを過ぎるとフラットダートになり、11・9キロのダートを走り、新田の集落の手前で舗装路に出る。岩手県側、青森県側を合わせると道前田山林道のダートは20・4キロ。20キロ超のロングダートだ。
 道前で国道104号に出ると、国道沿いの田子温泉(入浴料390円)に入る。一見すると普通の民家風の温泉宿。この素朴さがたまらない。内風呂のみで小さめな湯船につかる。フワッと肌にまとわりつくようなやわらかな湯の感触。ロングダートを走った疲れがスーッと抜けていく。湯から上がると国道104号→国道4号で青森に向かった。

日本初の鉄道防雪林のある駅

 途中の七戸では旧南部縦貫鉄道の七戸駅に立ち寄った。
 七戸と野辺地を結ぶ南部縦貫鉄道は1997年に休止し、2002年に廃止になった。だが、七戸駅はそのまま残っている。
 南部縦貫鉄道といえばレールバスだ。そのレールバスが七戸駅の機関庫内に動態保存されている。
 もうずいぶん前のことになるが、昭和59年3月31日、上野から寝台特急の「ゆうづる5号」に乗って野辺地まで行き、この南部縦貫鉄道のレールバスで「野辺地?七戸」間を往復したことがある。そのときは3月末にもかかわらず、季節はずれの大雪だった。
 七戸駅から野辺地駅に戻ると、今度は大湊線に乗り換え、終点の大湊のひとつ手前の下北まで行った。そこからは下北交通大畑線で終点の本州最北端駅、大畑まで行ったのだ。その下北交通大畑線もそれからちょうど17年後の平成13年3月31日に廃止された。
 野辺地に到着すると、JR東北本線(現青い森鉄道)の野辺地駅前でDRを停めた。この野辺地駅には「鉄道記念物」に指定されている日本初の鉄道防雪林がある。
 鉄道記念物というのは昭和33年に「1号機関車」や「旧長浜駅」、「旧汐留駅の0哩ポスト」などが指定されて以来、現在まで40件が指定されている。
「野辺地防雪原林」はその初期のもので、「大阪駅時鐘」、「旧逢坂山隧道東口」、「旧手宮機関庫」と同じ昭和35年の指定で第14号になる。
 野辺地駅の裏手にまわり、鉄道防雪林の中の小道を歩いた。そこには「野辺地防雪原林」と彫り刻まれた鉄道記念物の石碑が建っていた。
 野辺地から国道4号で青森へ。
 青森に到着すると市内の温泉をめぐる。
 まずは横内温泉「かっぱの湯」(入浴料390円)。大浴場と露天風呂。大浴場には木の湯船もある。ここは設備もよく整っていて390円で入れるような温泉とはとても思えない。東京周辺ならば1500円はとられるようなところだ。湯から上がると、温泉内のレストランで「かつ丼」(600円)を食べた。
 つづいて松枝温泉、鶴亀温泉、出町温泉の3湯に入った。ともに入浴料は390円。
 出島温泉には、昔風銭湯の風情がまるでタイムスリップしたかのように残っていた。
 入浴料は番台の女性に手渡す。脱衣所には竹篭。大浴場のタイル画は富士山。湯につかっているみなさんも、ゆったり気分の顔をしていた。
 こうして青森市内の4湯の温泉に入り、青森駅前に到着。東京から1292キロ走っての青森到着だ。
 青森駅から青森港のフェリー埠頭へ。
 フェリーターミナルの24時間営業の食堂で「ホタテ塩ラーメン」(800円)を食べ、DRともども津軽海峡フェリーの「びるご」に乗船。真夜中の2時40分、青森港を出港。カンビールを1本、キューッと飲み干したあと、函館港までの3時間40分、「バタンキュー」でグッスリと眠った。

より大きな地図で 林道日本一周東日本編 を表示
今回のエリア:昭文社ツーリングマップル東北 79,84,85,94あたり

花輪→五の宮温泉→道前田山林道→田子温泉→七戸→青森市

花輪盆地の水田地帯
五の宮温泉「五の宮の湯」


「五の宮の湯」の露天風呂
道前田山林道のダートに突入!


岩手・青森県境の峠へ
県境の峠に到達


田子温泉
旧南部縦貫鉄道の七戸駅


JR東北本線の野辺地駅
野辺地駅の鉄道防雪林


鉄道防雪林内を歩く
鉄道防雪林の鉄道記念物碑


横内温泉「かっぱの湯」のカツ丼
出町温泉


青森駅前に到着
津軽海峡フェリーターミナル


ホタテ塩ラーメン
津軽海峡フェリーの「びるご」に乗船



Comments

Comments are closed.

  • 最近の投稿

  • 新刊紹介(賀曽利隆連載中)

    アンダー400 No.64
    6月6日発売


    賀曽利隆の日帰り林道ガイド

    御殿場編

    風まかせ No.62
    5月6日発売


    連載

    「焚火日和」

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • ツーリングマップル

    東北四端紀行・奥の細道紀行に
    最適なナビゲーター

    2017年版発売

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」
    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄


    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」
    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税