カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

第86回 野沢温泉 後編

投稿日:2011年4月6日

2010年 林道日本一周・西日本編

適温の共同湯「熊の手洗湯」と「秋葉の湯」

 野沢温泉の共同浴場めぐりでは全部で4エリアに分けてまわったが、そのうちの第2エリア目の中半戦を開始する。
 第5湯目の「真湯」(源泉の湯温61・2度)、第6湯目の「上寺湯」(源泉の湯温76・5度)と高温湯に入る。
 第7湯目は「熊の手洗湯」。ここには2つの湯船があるが、ともにジャスト適温。野沢温泉の共同浴場の中では唯一、そのまま入れる温泉。源泉の湯温は他よりもはるかに低く、43・3度なのだ。
「ウヒョー、助かった!」
 と、適温の湯につかりながら思わず声が出てしまう。
 ここはその名の通り、熊が発見したといい伝えられている。後には照湯とか寺湯ともいわれたという。
 第8湯目は「松葉の湯」。ここからは第3エリア目で後半戦になる。
「松葉の湯」の源泉は83・2度で、いままでで一番の高温湯。湯屋の入口には温泉卵をつくるための木箱が置かれている。温泉卵はネットに入れるように、籠には入れないようにとの注意書きがある。湯船はひとつだけだが、源泉の熱湯に冷泉を混ぜて流し込んでいるので、そのままでも、かろうじて入ることができた。
 第9湯目は「十王堂の湯」。ここの源泉の湯温は72・7度。そのままでもかろうじては入れたが、その前に誰か、入浴客が入っていたのかもしれない。「十王堂の湯」の前には、閻魔像をまつる閻魔堂がある。
 第10湯目は「秋葉の湯」。ここの源泉の湯温は83・2度という高温湯だが、それに冷泉を混ぜて流し込んでいるので楽に入れた。
 第11湯目は「横落の湯」。ここの源泉の湯温は81・9度。先客が1人、他所から来た人が入っていたが、水をガンガン流し込んでいる。すでに温湯になっているのにもかかわらず、水を止めようとはしない。
 第12湯目は「新田の湯」。ここの源泉の湯温は81・9度。先客が2人いたが、「横落の湯」同様、他所から来た人たちだ。水を流しっぱなしで、すっかり温くなっている。よっぽど「もう水は止めたほうがいいですよ」といおうとしたがやめた。
「新田の湯」の名前通り、このあたりはかつての野沢温泉の村外れ。幕末の頃に開発された新田だという。野沢温泉の中では一番、新しい温泉といっていい。
 いよいよ最後の湯になった。
 第13湯目は「中尾の湯」。湯屋は豪荘な造りの建物。源泉は81・9度の高温湯。何人もの人たちが入っていたが、それでもかなりの熱めの湯。
「中尾の湯」は「新田の湯」の先、中尾の集落内にある共同浴場だ。いまでは中尾までは町つづきになっているが、かつては「湯沢」といった野沢温泉とは一線を画す温泉で、湯沢には含まれていなかった
 野沢温泉の共同浴場めぐりを終えると、野沢温泉の総鎮守になっている湯沢神社を参拝。創建は相当、古い時代のことだと思われるが、今の社殿は明和2年(1765年)に建てられたものだという。
 これにて野沢温泉の共同浴場めぐり、終了!
 意気揚々とした気分でスズキのビッグボーイを走らせ、野沢温泉から東京に戻っていくのだった。

野沢温泉 後半

第5湯目の真湯
第6湯目の上寺湯


第7湯目の熊の手洗湯
熊の手洗湯の湯船


第8湯目の松葉の湯
松葉の湯の木箱




松葉の湯の湯船

第9湯目の十王堂の湯
十王堂の湯の湯船


第10湯目の秋葉の湯
秋葉の湯の湯船


第11湯目の横落の湯
第12湯目の新田の湯




第13湯目の中尾の湯

中尾の集落を見下ろす
湯沢神社の鳥居


湯沢神社の本殿
野沢温泉を遠くに望む



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