カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

第24回 瓶ヶ森林道

投稿日:2011年1月15日

2010年 林道日本一周・西日本編

日本随一の絶景林道を走り、石鎚山に迫る

 高知を出発。はりまや橋から国道32号経由で高知道に入る。
 ところでこの「はりまや橋」はまさに高知の十字路だ。
 国道32号、国道33号、国道55号、国道56号といった四国の幹線国道がこのはりまや橋の交差点に集まってくる。
 高知道を突っ走り、大豊ICで降りると、まずは今晩の宿探し。国民宿舎「石鎚(いしづち)」に電話すると宿泊OK。ありがたいことに夕食も用意してくれるという。
「それ、行けー!」
 とばかりにスズキDR-Z400Sを走らせ、国道439号を行く。
 吉野川沿いの道。四国最大のダム、早明浦ダムで国道439号と分れ、吉野川沿いの県道17号を行く。一気に山深い風景に変り、吉野川には大岩がゴロゴロしている。
 国道194号にぶつかると右折し、高知・愛媛県境の寒風山トンネルへ。全長5432メートルのこのトンネルは四国最長であるのと同時に、一般国道のトンネルとしては日本最長になる。
 その寒風山トンネルの手前で旧道に入り、クネクネと曲がりくねった道を登っていく。高度を上げるにつれて四国山脈の雄大な山岳風景を一望するようになる。5月の中旬とはいえ、DRで切る風は冷たく、ハンドルを握りながらブルブルッと身震いしてしまう。
 旧道のトンネル入口に到達。その手前を左に折れ、瓶ヶ森林道(かめがもりりんどう)に入っていく。
 1999年の「林道日本一周」のときはまだ5・9キロのダートが残っていたが、今では全線舗装。まあ、それはおいて、瓶ヶ森林道はすごい所を走っている。まさに「四国の屋根を行く!」で、伊予富士(1756m)、東黒森(1735m)、自念子ノ頭(1701m)、西黒森(1861m)、瓶ヶ森(1896m)、子持権現山(1677m)、伊吹山(1502m)と連なる四国山脈の高峰群の稜線上、もしくは稜線近くを走っていく。
 日本にこれほどの絶景林道はない。全線舗装なのがなんとも残念…。これで全線がダートならば、もういうことなしだ。
 瓶ヶ森林道は高知・愛媛県境の稜線上を走っているが、その南側、高知県側が吉野川の源流地帯になる。自念子ノ頭(じねんごのかしら)と西黒森の間には「吉野川源流」の碑が建っている。
 徳島で吉野川の河口を見たので、これで「四国三郎」の最初と最後を見たことになる。 高知・愛媛県境のよさこい峠が瓶ヶ森林道の終点。そこからさらに山上道を行き、石鎚山の登山口、土小屋にある国民宿舎「石鎚」に到着。宿の前からは瓶ヶ森が大きく見えている。夕暮れの瀬戸内海も見える。だが残念ながら石鎚山は、手前の山に隠れていて見えなかった…。
 石鎚山はどうしても見たかった。そこで国民宿舎のフロントには「すぐに戻りますから」と無理をいって、よさこい峠の近くまで行き、残照に染まった石鎚山を見た。標高1982メートル、西日本の最高峰の石鎚山は、暮れていく夕空を背にして気高く聳え立っていた。
 国民宿舎「石鎚」は標高1500メートルの高地にあるので、日が沈むと急速に寒くなる。風呂から上がると、熱燗にしてもらった日本酒を飲み、体を中から温める。そのあとで山菜などの天ぷら、山菜の煮物、アメゴの甘露煮、わさび漬けなどの夕食を食べた。
 夕食後は部屋のコタツを強にしてもぐり込む。ヒェー、寒い…。

フォトアルバム

はりまや橋
国道32号を行く


高知は路面電車の走る町
国道439号から見る吉野川の谷間の風景


吉野川の早明浦ダムは四国最大
吉野川を見ながら走る


国道194号の寒風山トンネル
国道194号旧道からの眺め


国道194号旧道の寒風山トンネル
舗装林道の瓶ヶ森林道を行く


吉野川の源流地帯


よさこい峠
瓶ヶ森


瀬戸内海を遠望
夕暮れの石鎚山


国民宿舎「石鎚」
「石鎚」の夕食



Comments

Comments are closed.

  • 最近の投稿

  • アーカイブ

  • カテゴリー

  • ツーリングマップル

    東北四端紀行・奥の細道紀行に
    最適なナビゲーター

    2017年版発売

    ツーリング情報満載の地図
    「ツーリングマップル」
    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄


    リング式、文字の大きな
    「ツーリングマップルR」
    北海道東北関東 甲信越
    中部 北陸関西
    中国・四国九州 沖縄

    発売に寄せて賀曽利のコメント
  • メルマガ「カソリング」

    「賀曽利隆の六大陸周遊記」配信中
    メルマガ購読・解除
     
  • 新刊紹介(賀曽利隆連載中)

    風まかせ No.61
    3月6日発売


    連載

    「焚火日和」

  • おすすめの一冊


    風をあつめて、ふたたび。
    文:中部博 写真:武田大祐
    平原社

    「すばらしい写真の数々に感動!
    真っ赤な夕日を背にしたカソリ(P228〜P229)も登場しています。
    ぜひともご覧ください」(賀曽利隆)

  • おすすめの一冊


    「日本と違った世界を実際に見ることは、お金では決して買えない、かけがえのない体験です。その後の人生、生き方にもきっと、大きな影響を与えてくれるはずです。ぜひとも、一人でも多くのみなさんが、海外へ飛び出してほしいと願っています。もちろん、僕もまだまだ、走り続けますよ!」

    (賀曽利隆)

    7月24日発売
    360ページ
    出版社:ラピュータ
    価格:1800円+税