カソリング

生涯旅人、賀曽利隆の旅日記

第2回 小国神社

投稿日:2010年12月10日

2010年 林道日本一周・西日本編

1450年、悠久の時を刻む遠州の一の宮

 東名の沼津ICで降り、伊豆国の一の宮の三嶋大社、伊豆・駿河国境の境川、日本一の湧水の柿田川湧水群とまわって沼津ICに戻ったが、このような高速のICを拠点にしてのミニツーリングは面白いものだ。
 さて沼津ICからふたたび東名に入り、スズキDR-Z400Sを走らせ、富士川SAで小休止。カンコーヒーを飲みながら、富士川の対岸に広がる富士市の市街地を遠望する。高い煙突から煙を上げているのは製紙工場。この一帯は日本屈指の製紙地帯だ。
 富士山は残念ながら雲の中…。
 さらに東名を走り、安倍川、大井川と渡っていく。
 大井川が駿河と遠江の境。遠州(遠江)に入り、吉田IC、相良牧之原IC、掛川ICと走り過ぎ、次の袋井ICで東名を降りる。
 目指すのは遠州の一の宮の小国神社。
「遠州・森の石松」で知られる森町に入ると、茶畑が目につくようになる。天竜浜名湖鉄道の遠江一宮駅の近くを通り、山間に入ったところに小国神社はある。
 大鳥居をくぐり、杉木立の参道を歩く。一の宮はどこもそうだが、豊かな自然の中にある。小国神社の境内も自然の宝庫のようなところで清流が流れ、緑豊かな森に囲まれている。
 参道の脇には「だいこくさま」の絵図。

  大きな袋を肩にかけ
  だいこくさまが来かかれば
  ここに因幡の白うさぎ
  皮をむかれて赤裸
  
 と、それには誰もが知っている「だいこくさま」の歌が書き記されている。
 小国神社の祭神は大己貴(おおなむち)命。大己貴命というのは大国主命のことだ。
 その先には御神木「大杉」の根株がある。この大杉は昭和47年の台風で倒れてしまったが、樹齢は千年以上だという。小国神社のシンボルだっただけに、大杉の倒木は遠州の人たちにとってはさぞかし残念なことだろう。
 拝殿に入る鳥居の前には、小国神社の鎮座1450年を記念して「斉館・参拝者休憩所」が新に造られた。大きな看板に掲げられた寄付金の一覧を見ると、ヤマハ発動機が断トツの1位で奉納額は1000万円。さすが地元企業のヤマハだけのことはある。ヤマハの本社はジュビロ磐田の磐田だし、袋井や森町にも工場がある。
 それともうひとつ、この大看板で目についたのは「御鎮座一四五〇年記念事業」の文字。小国神社に限らず、全国の一の宮は消えることなく千何百年もの歴史というか、命を保ちつづけている。大企業といえども、あっというまに消え去っていく今の時代にあって、千何百年という悠久の時を刻みつづけている一の宮の存在というのは、日本の奇跡といってもいい。
 ぼくが「一の宮めぐり」をしている一番の理由は、日本の69国の「国」を知りたいという気持ちからだが、この一の宮の持つ歴史にも大いに心引かれるものがある。
 こうしてたっぷりと小国神社を楽しみ、最後の鳥居をくぐり、拝殿前で参拝。参拝を終えると来た道を引き返し、東名の袋井ICに戻るのだった。

フォトアルバム

富士川SAからの眺め
富士川対岸の富士市の市街地を遠望


袋井ICで東名を降りる
森町に入る


森町の茶畑


遠州の一の宮、小国神社の大鳥居
小国神社門前の「ことまち横丁」


小国神社の参道を歩く
小国神社の境内を清流が流れる


緑豊かな小国神社の境内
大きな池もある


「だいこくさま」の絵図
御神木の「大杉」の根株


鳥居越しに拝殿を見る
小国神社に参拝



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